
30数年前の白内障手術では、術後の絶対安静を必要としまた視力の回復に長い時間が掛かるのが普通でした。その後白内障手術において顕微鏡が導入され、また髪の毛より細い糸で傷口を縫合する技術が開発され格段に手術のストレスが緩和されるようになりました。術直後から歩行・食事も可能となり、手術翌日には眼帯も不要となって手術翌日から比較的良好な視力回復が期待できるようになりました。しかし術後の安静は必要で、当時は約1週間の入院を要するのが一般的でした。
20数年前には混濁した水晶体を超音波で砕いて吸い出す技術が開発され、傷口はわずか3mm程度で手術が可能となったために一段と手術のストレスが緩和される一助となり、1週間程度の入院が必要だったものが2~3日、場合によっては手術翌日に退院することも可能になりました。しかし眼内レンズを挿入するためには、眼内レンズのサイズに応じて眼球を約6mm前後切開する必要があり、入院は短くなったとはいえ、やはりまだ術後の社会復帰にはそれなりの制限がありました。
数年前から新たな眼内レンズが開発されました。3mm前後の切開創から眼内に挿入可能な眼内レンズがそれで、傷口を縫合する必要もなくなり、一段と手術のストレスが緩和されることになり、日帰り手術が可能となってきたわけです。最近ではかなりの患者さんが日帰りで手術をされます。できるだけ早い社会復帰を望まれる患者さんが増えたこと、また白内障による視力低下を感じた時にできるだけ早く手術を受けて、早く視力回復を望む患者さんが増えて結果的に若い患者さんが増えたこともその理由になっています。もちろん全ての患者さんが日帰り手術を行うわけではありません。ご高齢の方で通院にご家族の付き添い必要とする方、遠方の患者さんで通院に時間が掛かるような場合には日帰り手術が逆にストレスになる場合もあり、ケースバイケースで対応することになります。しかし少なくとも白内障手術そのものは昔と違って比較的ストレスが少ない手術となっているのは事実で、眼科手術の技術の向上・手術器具の開発が日帰り手術に大きな役割を担っているといえるでしょう。
先進医療とは…厚生労働大臣が定めた高度な医療技術をいい、特定の医療機関のみがその安全で有効な高度な医療技術の提供を認められます。これにより先進医療にかかる手術費・多焦点眼内レンズは全額自己負担ですが、手術前後の診察費・検査費・薬剤および手術当日の薬剤費は保険診療で行えるようになります。
◆厚生労働省 先進医療を実施している医療機関の一覧(77項目目)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html
また、先進医療機関に承認されているため、当院で手術を受けられた場合、生命保険の先進医療特約に加入されていれば、先進医療技術料(手術費・眼内レンズ)が全額支給される場合があります。詳しくは加入されている生命保険会社にご確認ください。
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